足踏みミシンの思い出
生活環境コース 22期 冨川 修(We love “もったいない” 代表)
私達は卒業後ボランティアグループを結成して、現在、主にカレッジ構内で古本(募金)と古着のリユース活動を行っています。その関係で様々な話が持ち込まれます。その中で印象深いエピソードをご紹介します。それは約2年前の話ですが、自宅にグループわ本部から電話がありました。その内容は、足踏みミシンを再利用できないかという問合せがあったとのことでした。
ともかく、問合せの詳細を聞くため、その学生さん(生環のAさん)に連絡をとりますと、その足踏みミシンは母親の形見で、それが電気の無いアフリカで困った方に大事に使われることがご本人の長年の夢ですとのことでした。
そこで、同じリユース活動なので、取り敢えず相談を受けることにしました。 2日程度パソコンで検索してAさんの希望に合う団体(NGO)をなんとか見つけました。その東京にあるNGOは、女性の命と健康を守ることを目的とし、全国的に足踏みミシンを集め、それをアフリカのザンビアへ輸送し、現地で女性自立のため足踏みミシンの研修もしているとのことでした。Aさんの事情に、何故か不思議とピッタリ当てはまりました。
早速、Aさんに連絡しました。段取りがつけられ2か月後には、横浜から船便で送られました。 Aさんには、現地で足踏みミシンが大切に使われている写真(確かミシンに名前がつけられたと思います)や、研修の様子などの写真も送られてきました。Aさんは長年の願いが叶い、とても喜んでおられました。
又、後日談として、ザンビアの保健省から感謝状が届いたとのことでした。
さて、この件を通じて、私達の活動は、単に古着や古本といったモノの再利用を促進するだけでなく、皆さんの「思い出をリレーする活動」と再認識させられました。いい経験となりました。
最後に一言、相談はいくらでも受けさせて頂きますが、とんでもない話だけは、ご勘弁願いますね。
2020/10/11記